当社の大分本店(にじが丘ショールーム)に、A様からご相談のお電話をいただきました。ご自宅の塗装をお考えとのことでお見積もり依頼をいただきました。 早速代表の小原とプランナーの東本で現地調査へ伺いました。
　A様は、外壁の目地やヒビがここ数年特に目立つようになり、どうにかしなければと考えておられたそうです。気になる点をお伺いしながら、A様宅に使用されてる建材とその状態をご説明させていただき、適した塗装はどういったものかをご説明いたしました。

　A様宅はB社で15年ほど前に建てられた家で、屋根はセメント瓦、外壁は意匠性のあるサイディングでした。屋根は塗膜がなくなってきており、薄くしらけ始めている状態でした。壁は、目地のシーリングの劣化が激しく、またサイディングボードにはクラックが多数生じていました。この状況はA様も心配されており、塗装をし家の保護をと考えておられました。意匠性のあるサイディングでは、もとの雰囲気を残す為に、クリア塗装（透明）やカラークリア塗装（半透明）という選択肢もあります。しかし保護の観点から、クリア塗装（透明）は保護の効果（紫外線に対する耐候性）が低いこと、カラークリア塗装（半透明）よりさらにエナメル塗装（塗りつぶし）の方が、耐候性が高いことをお話しし、エナメル塗装をお見積もりすることになりました。

　後日改めてお見積もり説明に伺い、A様宅に使用されている建材の欠点を踏まえ、それに適した塗料選択と、塗装方法をご説明させていただきました。巷では間違った塗装が多くなされていること、また根本に建築業界の知識不足・モラルの低さがあることなどもお話しさせていただきました。塗料や建材を正しく選択し、自信と誇りを持って施工する当社の姿勢に任せてみようと思ってくださったとのことで、ご発注いただきました。

　屋根はセメント瓦で、表面の塗膜は高圧洗浄で落ちました。セメント瓦用の下塗りをし、小口も丁寧に施工しました。

　サイディングの欠点の一つとして目地の存在があります。パネルで家を建てるサイディングはどうしても継ぎ目が生じます。そのパネル同士の継ぎ目をつないでいるのは、紫外線に非常に弱いシーリング材が使用されています。外壁は常に紫外線にさらされているので、目地のシーリングは数年で劣化してしまうのです。
　A様のお宅もやはり、シーリングが劣化しており、激しいところは壁のバックアップ材が見えている状態でした。シーリングも適切に処置し、紫外線に弱いという弱点をカバーする為、シーリングの上から塗装を施して塗膜で保護していきます。そうすることで、高耐久性の塗料によりシーリング材を保護することが可能となるのです。
　マイホームを出来るだけ安く購入したいという世間の流れから普及したサイディングですが、短いスパンでメンテナンスが必要で逆に後々費用がかかってしまうことは意外と知られていません。それを説明しない、または説明出来ない業者が多いのが現状です。
　さらに最近ではサイディング以外の壁の選択肢を提案されず、建材として自分の求めているものかを検討する機会さえなく新築を建てるケースが多くなっています。そうそう建て替えがきかないマイホーム。内装や間取り、キッチン、浴室の内容も大事ですが、家の基本構造の一つである、外壁や屋根についてもしっかりと検討できる余裕のある建築業界、社会が健全な形だとおもうのですが・・・。

　樋や玄関ドアも塗装しました。塗料選択を間違わなければ、こういった箇所も塗装可能なのです。

　外壁の色については少々不安を残しつつ選ばれていました。少し不安もあったと思いますが、足場を外し、施工の仕上がりをご覧になって「隅々まで綺麗に施工し、色もとってもよかった。綺麗になってよかった。」と大変喜んでくださいました。打ち合わせや工事の際、いつも温かく迎えてくださり、和やかに工事もすすんでいきました。いつもお気遣いいただき本当にありがとうございました。これからも、永いお付き合いを宜しくお願い致します！