当社の大在ショールームにB様がお越し下さいました。B様は以前、当社が毎年出展している『おおいた 人とみどりふれあいいち』(大分市平和市民公園)の当社ブースにご来場下さった事がありました。その際、当社スタッフの応対にしっかりした会社という印象を持たれたそうで、今回改めて雨漏りのご相談をしたいとご足労下さったとの事でした。
早速、現地調査にお伺いしました。B様のお宅は屋根はセメント瓦(S型瓦)、外壁はモルタルに一部漆喰という組み合わせの建物でした。2階部分と1階和室を中心にかなり雨漏りの痕跡が見られました。下地の劣化や板金部分の取り合いなど色々な原因がありますが、一番の大きな問題はS型瓦を使用している事と屋根勾配が小さいという事でした。
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S型瓦とは、このように通常の波型セメント瓦よりも平たく、溝が3〜4本ほど設けられているのが特徴です。 |
S型瓦は発売当初から「勾配が小さくても大丈夫」という「売り」で大量に流通した為、使用されている屋根の大半が3.5寸勾配以下となっています。B様のお宅も同様に3.5寸勾配以下でした。屋根勾配が小さいという事は、雨漏りのリスクが大変高くなります。また、S型瓦は通常の瓦より重ね部分が少ないため、その事も雨漏りのリスクを高めてしまっています。現実に20年前頃に大量に出廻って、早いものは建築後1年未満で漏水しているケースもあり、10年未満で何らかの漏水が発生しているのが大半です。
建築業界では何故か、この様なおかしな商品が検証もされずに発売され、何年にもわたって出廻るという事が珍しくありません。大量に流通しているから安全、大手が販売しているから大丈夫という考えは、残念ながら大変危険です。
屋根勾配や雨漏りに関連する当社へのご相談に多いものとして「屋根の傷みが激しい場合、葺き替えするべきか、塗装するべきか」というご質問をよくいただきます。詳しくは【HOKUTOリフォームQ&A】にも掲載しているのですが、決して難しく考える必要はありません。屋根の下地が傷んでおり、下地をやり替えなくてはならない場合、瓦を一度降ろさなくてはいけません。瓦を降ろしてまた載せるという作業は、手間もかかる上、破損などのリスクも伴います。そこで、どのみち手間をかけて瓦を降ろすのであれば、古い瓦を載せるよりはこの際新しい瓦を載せた方がよいのではと葺き替えをご提案することが多いです。逆に下地が傷んでおらず勾配がきちんととられている住宅の場合は瓦を降ろす必要もありませんから、瓦の状況次第で塗装で対応できる状態であれば塗装をご提案しています。 |