以前より何度も工事をさせていただいている教会様より、2017年10月頃に雨漏りのご相談を受けました。
早速プランナーの東本が現場に伺い、調査させていただきました。2017年の豪雨の際、1階の和室や談話室、2階の教会部、屋上への階段室に大量に雨が入ったとのことで、その跡も確認できました。
屋上やサッシ廻り、外壁等を調べたところ、以前当社が工事した際には見られなかった、大きな亀裂や隙間がありました。後日、当社代表の小原とともに再度伺い、原因の調査とともに修繕方法を検討しました。
雨漏りの大きな要因としてはまず、屋上の亀裂が考えられました。屋上は6年前に当社で防水しています。通常は数年で亀裂や劣化は起こらないのですが、教会の建物の構造が屋上に負荷が大きく掛かっている構造(※)であるうえに、2016年に発生した熊本・大分地震の影響が決定的な原因となり、亀裂が入ったと考えられます。(同じ地域で地震前に何件も屋上防水工事を施工しておりますが、この建物以外は全て防水機能に問題は全く出ていませんでした。)構造を直すことは出来ないので、屋上の防水を再度施し、亀裂を修繕することを提案しました。
また、複数ある雨漏りの箇所を確認したところ、一部は屋上から・一部はサッシ廻りから浸水していました。そのため、屋上防水と併せてサッシ廻り及び外壁の修繕も行うことになりました。
※この建物は大聖堂という使用目的の為、通常の鉄筋コンクリートの建物と違って、天井が非常に広くとられています。(通常の建物であれば天井には居室ごとに仕切りがあるが、この建物にはそれがない)そのため、通常であれば平らである屋上に、多少の勾配を付けるなどの対策をとって建てられていましたが、亀裂のリスクに対する防御としては不十分でした。
通常の防水では保護できない構造であり、揺れに対するひび割れリスクが高く、揺れに対応することができません。構造上の欠陥と言わざるを得ない状況でした。そのため補強を加えた上で防水を行いましたが、表面上の防水の保護では根本的な問題は解決できません。
建物の構造上、今回と同程度またはそれ以上の地震があった場合、亀裂のリスクが高いことは変わりません。 |
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防水するだけで絶対に雨漏りが止まるという保証はできない工事でした。そのことも踏まえ、教会の方々に現状の写真を確認していただきながら、教会の構造上にも問題があることをご説明し、施工の方針を検討していきました。
信者の方々にもお集まりいただき、説明会を開きました。質疑応答で、不安点・疑問点などを受けその都度お話致しました。施工方法や今後のアフター対応の内容にご納得下さり、工事をご発注いただきました。
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