当社が毎年出展している「おおいた 人とみどりのふれあいいち」にI様がお越しくださいました。
ブース前に展示している当社の瓦塗り見本や当社施工パネルをご覧になっており「うちの瓦もこんなに綺麗になるの?」とのご質問をいただきました。ご説明しながらお話をお伺いすると、I様のお宅は元々モルタル壁にスレート瓦だったそうですが、カバー工法によりアルミサイディングとカバー用屋根材をかぶせており、それが劣化してきているので塗装を考えているとの事でした。
早速現地調査にお伺いすると、屋根や外壁、軒天までカバー工法で施工されておりました。カバー工法とは、傷んだ屋根や壁をカバー材で覆う工法のことです。I様のお宅は新興産業が売り出した『ぱっとやねでりあ(屋根のカバー工法)』『ぱっとさいでりあ(壁のカバー工法)』という商品が使われておりました。これらがヒットしたということで大手ハウスメーカーや工務店が追随して類似商品を売り出しました。I様のお宅はまさにその全盛期に施工をしたとのことでした。新興産業はその後倒産しましたが、その工法によるクレームや雨漏りなどは現在も数多くの消費者が悩まされています。販売当初は「一生塗装が不要、一生剥がれない」と言って普及しましたが、初期の頃のものは全て剥がれている現状です。それにも関わらず、多少改良されたという事でカバー工法の商品がまだ出回っていますが、屋根と外壁のカバー工法自体、全くお勧めできるものではありません。
他現場での劣化した外壁用カバー材(さいでりあ) |
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カバー工法は20年以上前からあり、雨漏りがある住宅に、「雨漏りを防ぐためになにか上からかぶせましょう。」とか、または塗装などのメンテナンスが必要な瓦の住宅に、「今後二度と塗装をしなくてよいカバー材をかぶせましょう」、といった謳い文句で施工に至るケースが多く、飛び込みの訪問販売業で流通したのが始まりですが、工法や商品自体に多数の欠陥が存在しています。
※詳しくはOBSラジオ『住まいのお悩み相談室』(毎週木曜12:30〜12:40放送)屋根カバー工法について(2015年3月19日放送)をご覧下さい。
I様のお宅も元はモルタル壁でしたが、知識がない業者に勧められアルミサイディングでカバーしています。本来、モルタル壁はメンテナンスの方法を間違えなければ、現在外壁の建材として主流になっているサイディング壁(デメリットが多く、当社では欠陥建材と考えています)より数段寿命が長く、それ以外にも多くの観点から住む人間にとって優れた建材といえます。ですが、多くの建築業者の無知や不勉強の結果、間違った施工をされてしまい、あたかもサイディング壁より劣った壁材のような認識が広がっています。
建築業界には間違った認識や施工、間違いだと知りながらも利益を優先し住宅のその後などを考えない業者が蔓延しています。それは悪質な訪問販売業者などに限らず、大手ハウスメーカーなども例外ではありません。そのようなあってはならない考え方の業者に惑わされず、ご自身の財産である住宅をしっかり守っていくには、一呼吸おいて普通に素人目線で業者からの提案を検討していくことが必要です。
I様の場合は屋根カバー材が特に激しく劣化しており当初、屋根塗装のみをお考えとの事でしたがどちらにしても足場の設営が必要なことや塗装のスパンを合わせる意味でも外壁を含む全面塗装をご提案しお見積もりをご提出致しました。 |