当社ショールームにS様からご連絡がありました。訪問販売に困っているので、一度来てくれませんかとのご相談でした。
早速現地調査に伺いました。S様邸は1996年にB社で建てた、屋根は石綿スレートの屋根、外壁はサイディングの造りでした。屋根・外壁はかなり傷んでおり、特にサイディングの反りや目地の劣化が進んでおり緊急を要していました。しかし、B社は新築工事以来、一度もアフターなどに来てくれていないとの事でした。訪問販売に困っていることも問題でしたが、屋根・壁を早めに保護する必要があることをS様にご説明しました。
S様邸の外壁に使われているサイディングは、現在多くの新築で使用され、主流となっている建材ですが、いくつかの大きな欠点があり、当社ではお勧めしていない建材です。
1つは継ぎ目があることです。継ぎ目の目地はシーリングなどで埋められますが、シーリングは紫外線に弱く、劣化するという問題があります。劣化した目地は雨水の浸入口となってしまいます。近年増加している外壁からの雨漏りは、サイディングの目地からの雨水の浸入が大きな理由のひとつとなっています。
2つめの欠点は経年劣化でサイディング自体が反ってしまうことです。サイディングは比熱が低いため、日中と夜で急激な温度変化が繰り返されることにより、内部結露が生じやすい建材です。実は、サイディングには水を吸いやすいという性質があります。このため、防水性能を高めるために、新築時に工場で塗装されていますが、裏側は無塗装のことがほとんどです。寒冷地などでは、サイディングが水を吸ってしまい凍結して割れてしまうこともあります。このように、結露はサイディングを傷め、最終的に反りや割れを引き起こしてしまうのです。発売当初は塗装不要などと謳われていましたが、実際には劣化を遅らせるためのメンテナンスは不可欠で、定期的な塗装でサイディングを保護する必要があります。
屋根・外壁の他にも、カーポートの屋根や自宅・倉庫間の屋根(波板)も劣化が進み、壊れていたので修理したいとの事でした。特にこの場所は風が強いので、波板は新しいものに張替え、カーポートは取り換えてほしいというお話になりました。
ご相談のきっかけだった訪問販売についても伺ったところ、訪問販売の営業担当者が家に上がって帰ってくれず、最終的に喧嘩になってしまったとの事でした。見積もりの用紙を持たずに、口頭で300万円の予算を提示され、どのような契約内容なのかきちんとした説明もない営業だったそうです。
訪問販売は全国でも一番の売り上げがあるほど多く出回っています。今回のS様のように、家に上がって帰ろうとしないような営業に困っているお客様はたくさんいらっしゃると思います。それだけ訪問販売も真剣になっているということですが、きちんとした説明もない脅迫まがいの営業はきっぱりと断ることが重要です。内容がよくわからないまま工事を任せてしまうと、逆に建物を傷めてしまう可能性があります。
実際、訪問販売の業者に塗装を施工してもらったものの、さらに劣化が進んだり、状態が悪くなってしまったというお客様から、施工のやり直しのご相談を受けることもよくあります。 |
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後日、見積もりをお届けに伺い、塗装工事について具体的に説明を致しました。その後すぐにご契約のお返事をいただき、着工となりました。
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