当社の戸次ショールームにK様ご夫婦がお越し下さいました。お話をお伺いすると、以下の3点が気になっているので、一度見てほしいとのご相談でした。
●珪藻土の外壁のひび割れ
●壊れかけているテラスをきれいにやり替えたい
●テラスへの入り口のサッシが壊れている
早速、プランナーの野上と代表の小原で現場調査に伺いました。
K様邸は、築14年目のM建設で建てられたお家で、屋根は乾式洋瓦、外壁は珪藻土という建物でした。K様ご夫婦が一番心配されていた外壁は、一目見てすぐに手抜き工事とわかるものでした。珪藻土は、本来ならモルタルを下地に塗り、仕上げに珪藻土を塗るというのが通常の施工方法です。しかし現在ではコストカットを理由に、左官の要らない塗り壁用のサイディングに、仕上げに珪藻土を塗るという工法が主流となっています。(この場合、珪藻土は弾性がなくひび割れしやすいため、サイディングの目地を見えなくし、将来的に亀裂を起こさない様にする必要があります。)K様のお宅では、この塗り壁用のサイディングですらなく、ただのボードに仕上げの珪藻土を塗っているという状態で、ボードの継ぎ目の至る所で大きな亀裂が生じていました。通常であれば珪藻土のリフォームには上から上塗り用の珪藻土を塗るというのが基本的な処置です。しかしボードを触ると動くような状態でしたので、またすぐにひび割れを起こすのは明白でした。この為、これ以上外壁の反りや亀裂を食い止めるには、珪藻土の仕上げには本来使用しない(珪藻土の風合いを変えてしまう為)、弾性塗料を選択するという提案しかできませんでした。弾性塗料であればひび割れに追随するので、今後のひび割れを先に延ばすことができます。今後のひび割れをゼロに防ぐ事は、残念ながら新築時の欠陥が大きすぎて出来ませんので、当社としても余りお請けしたくない内容でした。しかし、既に亀裂から雨水が入り込んでおり、ベストではなくても何かしら手を打たなくてはならないという状況でした。いずれひび割れが生じた時に、今回施工する弾性塗料であれば重ね塗りが有効です。そこで、今後のメンテナンスも念頭に置いた結果、弾性塗料を塗布するしか(現在の技術では)有効な手はないと判断致しました。
K様には、乾式洋瓦と外壁の特徴、更に上記のような建物の現状などを細かくお伝えしました。また今回の塗装工事で出来ることと考えられるリスクなどもお伝えし、後日お見積もりを提出致しました。その後、「工事をお願いします」とのお返事をいただき、早急に着工となりました。
※M建設はすでになくなっており、当初、K様はどうしたらいいのか、どこに頼めばいいのかを迷われていました。『適切な工事をしていない為(知識不足による問題工事)、数年後に不具合が生じ、その後会社が倒産する。』
こういったことは建築業界ではよくあるケースです。特に建築業界は、不具合が目に見えてわかるようになるまで、時間がかかることが多いので、新築の時にはほとんどの方が気づきません。また、数か月・数年・数十年経たないとわからない不具合や劣化という現象を本当に理解・もしくは考えようとしている会社となると、残念ながら本当に一握りしかありません。大手ハウスメーカーや、ゼネコンが少しずつでも変わっていかなければ、今回のようなケースはなくなっていきません。
当社では定期的に、地域の場所などをお借りして、講習会(無料)をして、このような業界の現状について、一般の方にもわかりやすくお知らせする場を設けております。また、県内の3店舗のショールームではいつでもご相談をお受けしておりますので、お気軽にお越し下さい。 |
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