当社ショールームにJ様がお越し下さいました。ご自宅の雨漏りのご相談をいただき、後日現地調査に伺いました。
J様邸は、1993年頃に建てられた2階建てで、屋根はセメント瓦、外壁はサイディング張りの造りでした。
以前に1度、屋根・外壁を塗装されていましたが、その工事は適切なものではない部分もあったそうです。また、県外の業者が来て、「これを貼るとこれから塗装しなくてよくなりますよ。」と言われ、1階の外壁のみカバー工法の工事をされていました。
※カバー工法とは、傷んだ屋根や壁をカバー材で覆う工法のことです。新興産業株式会社が売り出した『ぱっとヤネデリア(屋根のカバー工法)』『ぱっとサイデリア(壁のカバー工法)』という商品が有名ですが、被せるだけで早く安く綺麗にできるという謳い文句で日本中で売れ、大手ハウスメーカーや工務店までもが追随して類似商品を売り出しました。新興産業株式会社はその後倒産しましたが、その工法によるクレームや雨漏りなどは現在も数多くの消費者が悩まされています。販売当初は「一生塗装が不要、一生剥がれない」と言って普及しましたが、初期の頃のものは全て剥がれている現状です。現在、多少改良されたカバー工法の商品が出ていますが、比熱が低いために建材と建材の間で結露を起こし構造体内部を傷め、継ぎ目からの雨漏りも生じます。しかし、重ねて張っている分、メンテナンスが非常にしずらいという根本的な欠陥を持つ工法なのです。塗装不要どころか、早いスパンで塗装し続けなくてはならず、屋根と外壁のカバー工法はどちらも、全くお勧めできるものではありませんので、注意が必要です。 |
ご自宅の雨漏りの位置を確認したところ、1階和室の天井と、天井付近の壁が大きく濡れていました。屋外から確認すると、そこには外壁しかなく、雨水の浸入はここからであると判断しました。J様には、その処置のご提案をさせていただきました。
既に築30年が経過しており、雨漏りだけではなく、その他の劣化箇所の件も踏まえて、お家全体の適切な保護が住宅の寿命に左右する旨をお伝えしました。後日、屋根・外壁等全面塗装工事の御見積もりをご確認され、ご発注をいただきました。
当社にご相談いただいたきっかけは、知人の方からのご紹介だったそうです。
工事後には雨漏りもなくなり、前回の塗装工事で施工されていなかった玄関ドアや勝手口ドアなど、アルミ建材部分もご覧いただき、綺麗な仕上がりを喜んで下さいました。 |