以前、当社でご実家の工事をさせていただいたG様からご連絡がありました。ご自宅の塗装を考えているので一度見てほしいとの事でした。
早速、現地調査に伺いました。ご自宅は数年前に中古の物件を購入されたそうで、屋根はセメント瓦、外壁はモルタル壁にリシン吹付で仕上げられた仕様でした。築年数は20年以上経っていましたが、屋根・外壁とも特に目立った汚れや傷みはなく、外壁に小さなひび割れがいくつかある程度でした。これからも長く住めるように適切な保護をしてほしいとの事でした。
モルタル壁はひび割れができるから外壁の材料としてはよくないと言われ、現在の住宅にはサイディングが多く使用されています(サイディングには建材としての欠点がいくつもあり、当社ではおすすめしません)。しかし、このひび割れはモルタルのせいではなく、モルタルの表面に塗る塗料の選択を業者が間違える事が原因です。本来、モルタル壁は適切な塗料で施工すれば、非常に保ちが良く、ひび割れも生じにくくなります。
モルタル壁は目地(継ぎ目)がなく、比熱も高く、壁が蓄熱したり結露することが少ない建材です。これは、住宅を守る外壁としてはとても重要なことで、サイディングよりずっと適しているのです。
塗料は建材の種類や建物の状態によって使い分ける必要があります。しかし、塗料の専門業者と名乗っていても、塗料の事も建築の事もわからず施工している業者は残念ながら多くいます。「公共工事でこの塗料を使っているから」、「安いから」という理由で塗料を選ぶのは、思考が停止した単なる流れ作業に他なりません。
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今回、G様は当社以外にも見積もり依頼をされたそうですが、当社の考え方を聞いてご納得いただき、ご契約下さいました。
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