当社ショールームにD様よりご相談のご連絡をいただきました。ご近所で塗装している訪問販売の塗装会社が来て、不安に思われている中、当社代表の小原の出演しているOBSラジオ「住まいのお悩み相談室」(毎週木曜日 12時30分〜12時40分)をお聞きになり、ご連絡下さったとのことでした。
現地調査のためご自宅に伺うと、築13〜14年の建物で、屋根は陶器瓦、外壁はサイディングの造りでした。新築時、建てた工務店の方に「サイディングはメンテナンスが特に不要」と言われたそうです。
まずはサイディングの性質やD様も気にしておられた目地のコーキングの割れについてご説明しました。
現在、大変の住宅に使用されているサイディングですが、大きな欠点が2つあります。1つはパネルの継ぎ目の目地に使われているコーキング材(またはシーリング材)の耐用年数が短く、浸水のリスクが大きい事。もう1つは意外に問題視されないのですが、比熱が低いということです。温度変化が急激で蓄熱しやすい為に結露し、経年と共に反りがでることが多く見受けられます。サイディングには目地のコーキング材(シリコン)を紫外線から保護するためと、塗膜による厚みで比熱の低さによる温度の上昇を考慮した塗装の必要性をお話いたしました。
「塗装不要」という謳い文句でサイディングは普及しましたが、新築から10年ほどするとハウスメーカーは何食わぬ顔をして「10年点検に来ました。そろそろ外壁の塗装をする時期ですね」と「塗装不要です」と説明をして使用した筈のサイディングの塗装工事を勧めに来ます。このようなおかしな話がたくさんあることを知って、一般の方も建築のことはわからないからと「プロ」の言うことをそのまま信じず、ご自分の大切な財産である家を守っていただきたいと思います。
後日、お見積りをご提示すると、程なくしてご契約くださいました。今回は既存の雰囲気をできるだけ変えたくないとのご要望でしたので、カラークリア(半透明塗装)を選択し、極力、イメージを壊さないよう慎重に色を選びました。
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