S様宅は1997年に大手ハウスメーカーのSR社で新築され、陶器瓦の屋根とモルタル壁の造りでした。築10年目の定期点検で、SR社から延長保証のための塗装工事を勧められ、依頼したとのことでした。なぜ延長保証のために塗装工事が必要なのか、工事ではどのような機能をもつ塗料を使い、どのような手順で行うのかなどといった説明がほとんどなかったそうです。しかし、「SR社のような大手の会社が勧める工事なのだからきっと必要なのだろう」、「一般的に10年経ったら塗装するものなのだろう」と思い、依頼されたそうです。
　ところが、わずか半年後、バルコニーの壁に黒カビが発生し、それを見た訪問販売系の業者が頻繁に営業に来るようになったとのことでした。
　S様宅の外壁は新築時にリシンという塗料で塗装をされていました。（リシンとは、小さな骨材が配合された塗料で、砂壁状の模様になります。防水性がなく、モルタルのクラックにも追従しないため、当社では絶対に使用しません。しかし安価で手に入りやすく塗り壁風に仕上がるという理由で、新築時にモルタルにリシンを塗装する業者が大変多いのです。）
　バルコニーの壁は屋根や庇がないため、ちょっとした雨でも濡れてしまいます。10年目の塗装で、再度リシンを塗装され、砂壁状の模様がさらに粗くなったことで雨降り後の保水時間が更に長くなり、カビを発生させたのではと考えられます。

　リシンが塗装された外壁に再度リシンを塗装する事にメリットはありません。二重、三重にリシンを吹く事は、もろい塗膜を厚くしていくにすぎないのです。
　S様宅の屋根は塗装不要の陶器瓦でしたので、モルタル壁と、FRP防水で施工されたバルコニーの床の塗装・防水工事について詳細に説明させていただきました。

　築10年目の塗装工事では外壁と軒天井が全て同じ色で塗装されておりました。数種類の色見本を見せられ、「この中から選んでください」といった簡単なやりとり程度で、塗り分けの提案など一切なかったとのことです。
　SR社は仕上がりを見たS様に喜んでいただく、満足していただくための配色をしようといった気遣いがあったのだろうかと疑問に思いました。当社は単に工事をこなすという姿勢ではなく、お客様に満足していただきたい、笑顔になっていただきたいという姿勢で取り組んでいます。
　今回の工事では、ガラリとイメージを変えた提案をしたいと考え、塗り分けパターンをご提示致しました。「こんな素敵なことをしてくれるんですね。前回の塗装ではこんなサービス一切なかった。」といった喜びのお言葉をいただきました。

▲アルミの手すりと笠木の表面が傷んでいたため塗装しました。大変きれいになっています。
FRP防水の表面の保護塗膜（グレーの塗膜）が劣化していたため、4工程からなる塗膜防水を施工致しました。

　完工から数か月経ってご訪問した際、「色の配色、仕上がりなどご近所さんからの評判がとてもよいですよ。」というお褒めのお言葉をいただきました。

　1階のトイレの便器を節水タイプに交換をしたいとご要望をいただきました。タンクレスタイプを選ばれました。同時に、床のクッションフロア、壁・天井のクロスの張り替えを致しました。

　手洗いの水栓が水漏れするとの事でしたので、新しく交換しました。

　以前、飼われていた猫が壁紙に爪をたてていたとの事で、壁紙が傷んでおりました。一部の部屋をのぞき、1階、2階の天井と壁の壁紙を張り替えました。