社員のお知り合いであるY様より、外壁についてご相談のお電話がありました。
後日、プランナーの福岡が現地調査に伺いました。ご自宅は地元の大工さんが建てたもので、築30数年経っており、屋根は陶器瓦・外壁は木張り(一部漆喰)の仕様でした。外壁の傷みが気になり、地元の工務店に相談してみたところ、木張りを全て剥がしてサイディングを張る工事を勧められたそうです。しかし、Y様は木材の雰囲気が気に入っており、塗装で修繕できないかと当社にご相談下さいました。
サイディングは現在多くの住宅で使用され、主流となっている建材ですが、大きな欠点がいくつもあり、当社ではお勧めしていない建材です。
1つは継ぎ目があることです。継ぎ目の目地はシーリングなどで埋められますが、シーリングは紫外線に弱く、劣化するという問題があります。さらに、劣化した目地は雨水の浸入口となってしまいます。近年増加している外壁からの雨漏りは、サイディングの目地からの雨水の浸入が大きな理由のひとつとなっています。
2つめの欠点は経年劣化でサイディング自体が反ってしまうことです。サイディングは比熱が低いため、日中と夜で急激な温度変化が繰り返されることにより、内部結露が生じやすい建材です。実は、サイディングには水を吸いやすいという性質もあります。防水性能を高めるために、新築時に工場で塗装されていますが、裏側は無塗装のことがほとんどです(そのため、寒冷地ではサイディングが水を吸ってしまった後、凍結して割れてしまうこともあります)。結露によって傷んだサイディングは、最終的に反りや割れを引き起こしてしまうのです。発売当初は塗装不要として売り出されましたが、実際には、モルタル壁などに比べて早いスパンで塗装などのメンテナンスが必要となってきます。
サイディングの欠点については当社のホームページや、広告、OBSラジオ『住まいのお悩み相談室(毎週木曜 12時30分〜12時40分)』(詳しくは「第4回目 サイディングは欠陥建材か」に掲載)などでもたびたび取り上げて警鐘を鳴らしております。 |
|
実際に建物を確認したところ、部分的に木張りの張り替えが必要な個所はありましたが、部分張り替えと塗装で修繕可能な状態だったので、補修と塗装のお見積もりを作成致しました。工事内容のご説明後、すぐにご契約いただきました。 |