2010年に塗装工事と内部改修工事をさせていただいたO様から駐車場増設のご相談をいただきました。O様邸は塗装・内部改修の他に、ガス給湯器の修理、他社が増築した箇所からの雨漏りの改修もさせていただいております。
既存の駐車場は2台分あり、今まではO様ご家族の車1台の他にお客様用の駐車場として使われていました。しかし、ご家族の車が1台増えたため、敷地内に駐車場を増設したいとのことでした。
スペースを確保するにあたり、玄関アプローチを含めてリフォームすることも検討致しました。玄関アプローチをリフォームするとなると、O様の亡くなったお父様が生前、大事にお手入れされてきた松があり、その松をどうするかという問題がありました。その松は枝の1本だけが横に長く伸びていて、玄関に入る際に必ずくぐる「門かぶり」というすばらしい松でした。しかし高さが低く、成人男性の場合は頭をぶつけないように注意する必要があることと、今後のお手入れの手間などについてのご相談をいただきました。
松の移設または撤去についても検討致しましたが、O様のお父様が大事にしてきた松なのでこれからも維持していきたいというO様のご希望で、玄関アプローチは残すプランで打ち合わせを進めることに致しました。
新たな駐車場は、玄関アプローチに向かって右側のスペースに作製することと致しました。既存のお庭が和庭園でしたので、リフォームも「和」を活かすデザインをご希望されました。
また、O様邸には、立派な敷石がたくさんありました。この敷石はお父様とお母様が様々なところから調達してご自分達で敷いていった石で、大変思い入れがあるとのことでした。そこで、その敷石を最大限活用させていただき、また、大事にされている植栽も可能な限り残すことに致しました。今あるものを再利用することで、施工費もかなり抑えることができます。
どの敷石を残すか、どの植栽を残してどこに移植するかを決める作業には尽力致しました。というのも、全ての敷石・植栽に様々な思い出があったためです。O様ご夫妻とO様のお母様で幾度となく繰り返し話し合い、当社の提案も織り交ぜながら、敷石と植栽の配置を1つずつ決定していきました。この作業が最も時間がかかりましたが、O様ご家族にとって大変有意義な作業となり、ご家族皆様が納得できるプランになりました。 |