大分のリフォーム・増改築、塗装、防水、エクステリア・外構、耐震補強工事……自然素材を生かした空間づくり | |||
臼杵市 K様邸 大改修工事 |
2018年〜2019年施工 |
臼杵は江戸時代初期の古絵図にある町割りが、現在もそのまま町並みとして残っており、商家や武家屋敷、神社仏閣などの昔の建物が多数残されています。中でもひときわ大きい建物についての大規模修繕を行いました。今回、『母屋』と『長屋門』を一年かけて修繕、リフォーム致しました。 以前からたびたび工事をお請けしており、お住まいとして使用されていた『離れ』のリフォームを終了した頃に、この建物全体の今後の修繕計画についてのご相談をいただきました。他社へも相談していたそうで、大手ハウスメーカーからはこの建物を取り壊し、新築住宅を建てるというプランを提示されていたそうです。 |
◆長屋門 |
施工前 | 施工後 | |||
奥様が「残してほしい」との遺言を託された長屋門。K様邸のシンボルにもなっており、臼杵の古い町並みの中でも、ひときわ存在感があります。 |
施工後 |
施工前 | ||
施工中 | ||
施工中 | ||
内部施工中 | ||
施工後 | |
長屋門は戦後に改装していました。建築当初(おそらく江戸時代以前)の建築技術と戦後の改装の技術の違いは歴然としていました。 |
◆母屋 |
外観施工前 | ||
外観施工中 | ||
施工後 | |
内部施工前 | ||
↑昔使われていたオクド(お竈) |
施工中 | ||
↑四角い床下埋め込み火鉢が沢山出てきました。 | ||
↑解体してようやくお目見えした松の大黒柱(写真・左)と床下の大引(写真・中央)です。建物の保存状態が非常に良いのは、床下がとても高く設計されて造られているためです。今の新築住宅のベタ基礎とは違い、通気性に大変優れています。昔の住宅ほど、日本の気候風土を理解し、住宅を大切に思って造られているということがわかります。 | ||
↑160年以上経っているのに、梁もほとんど傷んでいませんでした。 | ||
↑建具は造作しました。 | ||
↑→建具以外にも、玄関飾りや格子、玄関収納も造作しました。 |
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↑新しい玄関からは奥の中庭まで見通すことができます。 |
作業中の様子 | ||
施工後 | |
《客用玄関ホール》↑建具を閉めた状態 | ↑建具を開けた状態 |
《家族用玄関土間》↑建具を一部開けた状態 ↓建具を閉めた状態 | ↑建具を全て開けた状態 |
←↑薪ストーブ |
内装は浴室とトイレ以外、壁は全て漆喰で仕上げており、床材には檜を使用しています。これほど広い空間にも関わらず、以前と比べて真冬の冷え込みが緩和されたことに驚かれていました。夏も冬も、快適に過ごせるとおっしゃっていました。広い空間であることで、床の檜材や漆喰を使用する面積が大きいため、自然素材の調湿性が十二分に発揮されています。 |
◆蔵の解体 |
解体前 | |
施工中 | ||
施工後 | |
←蔵を解体した際、壁に造りつけられた棚をはずした所、このような背板がでてきました。この土地の昔の風景が描かれた古絵がたくさん貼られていました。 |
↑撤去された鬼瓦の表面のモルタルが不自然だったため削ったところ、大友宗麟の家紋が出てきました。 |
◆医院解体→駐車場 |
施工中 | 施工中 | |
施工後 | |
◆お隣の塀 |
K様邸の改修が進む中、お隣の方から「うちの塀も綺麗にしてほしい」とのご依頼をいただきました。 |
施工前 | |
施工後 | |
施主様が当初相談されていたハウスメーカーが勧める通りに、もし取り壊されていたとしたら、非常に貴重な文化財が失われていたところでした。工事中にこの建物の内外や構造をつぶさに目にして、素晴らしさを見るにつけ、取り壊されなくて本当に良かったと胸をなでおろす思いでした。(特に、基礎のすばらしさは言葉にできないほどでした。最近の住宅は基礎の構造からして日本の気候に適していないために劣化が激しく、基本的な部分をやり替えなくてはならないことが多いのです。) 確かに施工前は、激しい劣化の部分ばかりが目につきます。しかし、一見古いということは、寒さ、動線、住器が使いにくいだけのことで、そういった不便は近代的なリフォームで充分解消します。 古いならではの不便さはリフォームで改善できる上、解体中に調査したところ構造についても何ら耐震上の問題はありませんでした。問題がなかったとはいえ、せっかく土台がむきだしになるので、修繕と念のための耐震補強は施しましたが、基本的な構造や材料は時を経ても尚強固で素晴らしいものでした。この160年以上の間の地震に耐えて何ら建物にはダメージがなかったことを目の当たりにし、改めて日本の伝統的な木造建築技術の真髄を垣間見た思いでした。おそらく、取り壊して新築を建てることを勧めたハウスメーカーは、こういった歴史的な建物から学ぶ気もなければ、このような技術の価値を理解もしていないのではないでしょうか。残念ながら、商売の道具としか思っていないのではないだろうかと感じざるを得ません。 |
◆担当プランナー◆野上 | ◆担当工務◆上原 | ◆担当工務◆神田 |
2級建築士 | 2級建築士 福祉住環境コーディネーター |
◆担当工務◆篠田 | ◆担当工務◆磯崎 | ◆担当工務◆佐藤 | ◆担当工務◆長岡 |
2級建築士 |
1級建築塗装技能士 2級建築施工管理技士 |
1級建築塗装技能士 |
◆担当工務◆浜田 |
◆担当設計◆安武 |
2級造園施工管理技士 |