当社の社員より、ご近所にお住まいのS様が雨漏りで困っておられるという相談を受けました。後日、プランナーの三重野がS様のご自宅へ、現地調査に伺いました。
S様邸の屋根はS型瓦と呼ばれるセメント瓦が使用されていました。S型瓦は『屋根の勾配が小さくても葺ける』という間違った情報で普及してしまい(※建築業界ではよくあること)、多くの雨漏り被害を出してしまった瓦です。これまでに当社へご相談くださったS型瓦を使用した住宅でも、ほとんどのお宅で雨漏りの被害が起きていました。
S様邸の屋根の勾配を確認したところ、やはり3寸勾配でした。(3寸勾配とは、水平方向に10進み、そこから垂直方向に3進んだときの勾配)
雨の多い日本では、瓦を使用する屋根の勾配は、最低でも4寸勾配以上が必要です。S様邸の屋根は瓦を乗せるには勾配が不足していました。S様はスレート屋根に施工することをご希望しておられましたが、スレート屋根にするべきではない理由をお伝えいたしました。
【ご説明の内容】
・現状の屋根の野地板(屋根の下地)が経年により波打っており、平らなスレート屋根をのせてしまうと、スレート屋根と野地板の間に隙間が生じる。そこに力が加わると、厚さ5o程度でセメントが主成分であるスレート屋根は簡単にヒビが入り、割れてしまう。
・スレート屋根特有の毛管現象により、雨漏りのリスクは改善されないこと。
・スレート屋根は、定期的な塗装によるメンテナンスが必要な屋根材であるということ。
今回はガルバリウム合板で改修することをご提案いたしました。また、屋根の葺き替えに併せて全面的に樋を取り替えるご提案をいたしました。
後日、お見積もりを作成し、ご説明に伺いました。内容にご納得され、工事をご発注くださいました。 |