2020年の暮れに、戸次ショールームの近くにお住まいのO様より、ご相談をいただきました。O様のご自宅は元々平屋でしたが、2階に2部屋分を増築したそうです。その2階部分の寝室が、地震でかなり揺れるとのことで、増築した2階を取り壊して平屋に戻したいというご相談でした。早速現地調査に伺いました。

　O様宅は、50年前（1971年）に大工であるO様のお父様ご自身の手で平屋として建てられ、33年前（1988年）にもお父様の手で２階を増築されたということでした。
　あたかも新築時から２階建てであったかのように、何の違和感もなく２階が増築されており、とても増築とは思えない出来栄えでした。

　家の外観の見た目や屋根の造りなどとても立派で、2階を撤去するのはもったいないと感じました。撤去して新たに屋根を作り直すとなると、工事の難度も高く、工事費用も高額になります。耐震補強した上で、使いやすくリフォームした方が工事費も安くなります。
　家族構成が、O様ご夫婦と成人した娘様2人の合わせて4人ということを考えると、2階があった方が断然メリットが高いため、耐震補強とリフォームをご提案致しました。
　Ｏ様は即納得され、その提案を受け入れて下さいました。また、それ以外にも主に下記のご相談をいただきました。
・仏間、客間など1階の4部屋のリフォームをしたい。
・玄関引戸を取り替えたい。
・玄関ポーチ周辺を改修したい

　年が明けて改めて、当社代表の小原、工務の上原・神田、営業の三重野・吉村で訪問し、O様のご要望を細かく伺うとともに、建物の現状を把握しました。

　O様はご結婚後、ご実家を離れたのち、定年退職を機にご家族全員でご実家に戻ることとなりました。
　2017年、ご実家に戻るために、水廻りとLDKを中心としたリフォームと外壁の塗装を、全国大手のリフォーム会社であるS社にて工事をご依頼されたそうです。
　しかし、その施工に対してあまり良い印象をお持ちではないとのことで今回S社には相談せず、当社にご相談下さったとのことでした。

　その後、お見積もりを提示し、当社の施工方法にご納得くださり、即工事のご依頼をいただきました。

　建築図面がなかったため、筋交いが十分に組まれているかなど、まず構造を知ることから始める必要がありました。そのため、2階の2部屋と廊下の天井・床・壁を解体して構造部材が見える状態にしました。
　解体したところ、壁の筋交いは適切に取り付けられており、追加する必要がないことを確認致しました。このことから、耐震補強では、後述の耐震金物、雲筋交い、構造用合板を使った補強工事を計画しました。

【耐震金物】柱、梁、筋交いなどの各部材の結合を強化するために取り付けます。

【雲筋交い】小屋組（屋根を支えるための骨組み）が地震の際にゆがまないようにするためにの屋根の筋交いです。

【構造用合板】壁に断熱材を入れた後、更に壁の耐震強度を高くするために構造用合板を張ります。

　少しモダンな要素を取り入れて明るい和室にしたいとのご要望でした。

　玄関引戸を取替えました。外部タイルの下地が傷んでいたため、下地から作り直してタイルを張りました。また、玄関の内部においても、昭和に流行したタイルであったため、外部と同じタイルを張り、少しモダンにしました。