低勾配による雨漏りと判断ができれば、再度スレートを採用するという選択肢はあり得ません。10年前のSF社の見積もりを見せていただいたところ、新築時のスレートを剥ぎ取って、ガルバリウム鋼板という金属の屋根材を使用するという内容になっておりました。この内容は間違っておらず、今回当社が提案した屋根材もガルバリウム鋼板です。
ガルバリウム鋼板は比熱が低く、内部結露が生じやすいため、当社では推奨していません。しかし、M様宅のような勾配が小さい屋根は葺ける瓦がないので、雨漏りを止めるためにやむをえず使用する場合があります。その際は通気性に充分気をつけて施工しますが、勾配が小さい屋根の場合、完全な解決法がないのでリスクについてはお客様にきちんとお伝えします。
ところが、SF社の実際の施工は見積もりとは異なり、再度スレートを葺き直しておりました。つまり、契約内容と実際の工事内容が異なっていたということです。どのような意図でこのようなことになったのか、皆目見当がつきませんし、M様は全く無駄な費用を負担したということになります。
しかも雨漏り改修後10年未満での雨漏りですので、本来であればSF社は無償でのアフターメンテナンスをするべきですが、見積もりは有償となっており、しかも割高でした。同業者として非常に残念な結果です。
今回当社としては、下記提案を行いました。
(1)雨漏りについては、屋根材をスレートからガルバリウム鋼板に葺き替える。
(2)外壁や軒天井の塗装が劣化しているため、屋根以外の塗装工事を行う。
工事内容と金額ともに当社を信頼して下さり、工事を発注いただきました。また、工事期間中に追加要件としてデッキとフェンスの改修も発注いただきました。 |