M様よりご実家の改修について初めてご相談をいただいたのは、2012年のことでした。
当時はご実家ではなく別の地域にお住まいでしたが、数年後に控えた退職を機に、ご主人のご実家へ戻られ農業を本格的にされるご計画があり、それに伴いM様家族が住めるよう、ご実家の離れを改修できないかというご相談でした。
M様が勤務されていた職場は、当社が互助会指定店にご指定いただいており、当社に相談してみようと思われたそうです。
退職はまだ先でしたが、計画を立てる上で、まずは離れを改修し、住めるようにすることが現実的に可能なのか、また、どのような工事が必要になるのかを知りたいとのことでした。早速ご実家へ伺い、調査させて頂きました。
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お話には聞いておりましたが、離れは古く、長い間物置として使用されていたようで、外装内装ともに傷みが激しかったです。
ご予算やライフスタイル、お住まいになる家族構成をお聞きし、建築のプロとしての見解もご提示しつつ、M様家族にとっての最善の方法を一緒に模索していくことになりました。 |
まずは、どのような改修が必要なのか検討させて頂きました。
屋根に関しては、塗装などでは修繕できない劣化状態だった為、一度既存のセメント瓦を下ろし、新たに屋根を葺く必要がありました。
壁も屋根と同じように劣化が激しく、また、サッシも新しいものに入れ替える必要があることから、既存の焼き杉を剥がし、新たに外壁を作製する必要がありました。
内部に関しても、長年使用されていなかったこともあり、床と壁は既存の材料を使用することは出来ないと判断しました。
また、水廻りを配置するため、新たな間取りを考えていく必要がありました。
上記の現地調査の結果から、既存の大部分において修繕は不可能で、大幅な改修が必要であると結論を出しました。
このような場合、建て替えるというのも1つの方法としてあげられますが、建て替えは解体費やその他躯体の費用が必要となります。一番重要なポイントは、躯体がしっかりしているかどうかです。改修する方が費用がかかってしまう場合や、改修するに値しない物件も中にはありますが、このケースでは建て替えよりも改修が有効であると判断致しました。M様のご要望と現状を照らし合わせた結果、当初のご希望通り改修することになりました。大きな方向性が決まり、次は間取りのプランニングにとりかかりました。
工事自体は数年後の為、時間を掛けて打ち合わせを重ねることができました。2016年、M様の退職にあたり、最終的なお見積もり、工事内容にご納得くださり、工事のご発注をいただきました。
※2012年のご相談開始から、離れ着工までの数年間、当時お住まいだった家の修繕やご実家母屋の修繕工事もご依頼いただきました。 |