2021年の秋に戸次ショールームへお問い合わせのお電話をいただきました。リビングと和室1室の壁を壊して、一つの部屋にしたいとのご相談でした。さっそく現地調査に伺いました。
K様のご自宅は、木造の陶器瓦葺2階建てで、漆喰壁のしっかりとした日本家屋でした。伝統的な造りの、和室2間を備えた間取りでした。
以前他社で水廻りのリフォームをされており、その時にリビングも改修したそうです。その時には、そこまで工事をしませんでしたが、今回はリビングを広げて、広々としたくつろげる家族みんなの共有空間へとリフォームしたいとのご要望をいただきました。
リビングは10畳ほどで、極端に狭くはないが収納があるため、ソファー・TV収納を配置すると確かに少々窮屈になる感じがありました。隣の和室2間は、仏壇に手を合わせるために使用していましたが、半分の6帖間はほとんど使用しておらず、物置の状態になっているとのことでした。その和室6畳とリビング10畳をつなげて、広々としたリビングにしたいとご希望でした。
築年数が30年以上ということで、新築時の図面が残っておらず、図面起こしから始めることになりました。ご希望の和室とリビングをつなげるにあたり、その間には柱が3本あることを確認致しました。2階の配置からも全ての柱は撤去出来ない構造になっていたため、天井裏を調査して、どの柱にどの梁(2階床組)が乗っているのかを確認致しました。
どのように壁を撤去するのが良いか、 また、どの柱を残すことになるかを確認しながらプランを作成致しました。和室とリビングのちょうど中央にある柱には、2階の荷重が集中してかかっており、その柱は撤去出来ないことが分かりました。そこで、その柱を残すことを前提に、プランニングを進めていきました。
一方、仏間と床の間のある残す方の和室も、続きになっていた和室がリビングになるため、独立した和室として違和感のないように仕上げる必要がありました。残す和室と新たに広げるリビングとの仕切りは、半面が板戸仕上げ、半面が襖戸仕上げの建具を設置することで、リビングと和室双方の雰囲気を損なうことなくするというプランをご提案致しました。
また、その際和室側には既存の欄間を再利用して取り付けることとしました。プランの内容と見積もり金額にご納得くださり、工事の発注をいただきました。 |