K様のご自宅は 20数年前にM社で建てられた、屋根は石綿スレート瓦・壁はモルタルにアクリル吹付けタイルの仕上げという仕様でした。モルタル壁は、現在新築で多く使用されているサイディング壁にくらべ太陽熱の影響を受けにくい建材です。つまり、日光があたった際の熱の上昇がサイディングに比べ低いので、壁材としてはサイディングより優れています。
お天気が良い日に外壁を触ってみると、想像以上に熱くなっています。熱の影響を受けやすいということは外壁面を触ってみると顕著に分かりますが、それ以上に見えないところに悪影響が発生していることは意外と知られていません。サイディングのように熱の影響を受けやすい(比熱が低い)外壁材を使用すると、太陽光が当たっている時間帯は温度が上がります。しかし日が落ちれば急激に外壁の温度が下がります。その際、壁の中では急激な温度変化により結露が生じているのです。このような現象が壁内で毎日起こっていると考えれば、壁内の状態は想像に難くないでしょう。壁内は湿気が多くなり、カビが生じたり建材が劣化していってしまいます。
●内部結露のメカニズム※サイディング壁の場合● |
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このようなことから、外壁に用いる建材としてはモルタルのような、熱の影響を受けにくい(比熱が高い)建材のほうが健康に生活するうえでは適しています。ただ、モルタル壁は表面にヒビが生じるということで一般的に避けられがちで、サイディング壁の方が主流になってしまいました。しかし、このモルタルのヒビについては、弾性のある塗料を使用し適切に仕上げればカバー出来る問題です。新築業者が新築時に、モルタルの仕上げに使う塗料の選択を間違っていることがほとんどで、そのせいでモルタルにはヒビが生じると誤解されてしまっているのです。
K様宅の外壁にも弾性のない塗料が使用されており、モルタルの欠点であるヒビが所々表面化していました。そこで、今回はモルタル壁に適した弾性のある塗料のお見積もりをご提案をさせていただきました。
屋根については、石綿スレート瓦の表面の塗膜が劣化していたので、適切な塗装をして保護することをご提案いたしました。 |