ハッキリ結論から申し上げますと、加入の登録をすればどのような業者でもそのようなサイトに加入できるというものがほとんどです。実体のないようなあやしい会社や、プロとは言えないような素人同然の業者であっても、登録料さえ支払えば簡単に紹介サイトに名を連ねることができるものが多いのです。
ホームページや広告を作るほどの余力がない、または施工実績を豊富に持たない会社などは、そういったサイトの集客力・宣伝力を借りざるを得ないので、逆に、紹介サイトに名を連ねている会社は、要注意といってもいい過ぎではないかも知れません。加入審査があり、3年分の決算書を提出するというサイトもありますが、決算書を見たところでどうやって優良業者であるかどうかがわかるのか、教えていただきたいものです。
優良業者紹介サイトと名乗る業者からのサイトへの掲載、加入の依頼が、当社に対しても毎日きています。(10年前は無かったことです)
「こういった工事は対応可能ですか」と、施主の名前を伏せた状態での見積もり依頼なども、登録してもいないのに色々なサイトの運営会社からくるのです。当社は、そういった手合いのものは取り合いませんが、無視していても、構わず一方的にくるような状態です。
だいたい5〜6社がよく見る名前の会社ですが、初めて見る名前の会社からもたびたび依頼が来ており、このようなサイトの運営会社が大小、無数にあるのでしょう。
大抵は、東京や大阪、愛知などの所在地となっている会社がほとんどで、当社のことなど知らないであろうと思われる会社です。明らかに小さい会社だけでなく、大手と思われるところからも加入の勧誘の営業電話や見積もり依頼などがきています。
こういった依頼や勧誘を日常的にいただいている中で、このような紹介サイトを利用する消費者は何を根拠に紹介される会社を優良業者だと信じてしまうのだろうかと不思議になることがあります。優良かどうか誰が決めると思っているのだろうか、優良かどうか何故わかるのだろうか?と疑問に思ってほしいのです。
先日、ある割と有名な優良業者紹介サイトの運営会社から、当社にサイトへ加入をしてくれないかと勧誘をうけた際、加入の件ははっきりとお断りしましたが、一体どのような会社が加入しているのか試しに聞いてみたことがあります。
その運営会社は、こころよく教えてくれました。主だった会社、妥当と思われる会社を例にあげたのだと思いますが、案の定、決して優良とは言えないような会社ばかりでした。おそらく当社が加入したら、今後、他社を勧誘する際に「北斗さんも加入していますよ」と当社の名前を利用されるのであろうということは容易に想像できます。
毎日のようにそういった紹介サイトから見積もり依頼のメールも来ます。ちなみにそのようなサイトからの依頼では当社は一度も見積もりを出したことはありません。そういった実態のよくわからないサイトの運営会社が、当社の作った見積もりを施主に代行して提出するということに、全く信頼がおけないからです。情報だけでお金をとるコンサルタント会社なども、そういったシステムを作って、サイトビジネスに参入しています。
当社ははっきりとお断りしていますが、それと同時に将来的には無視できない状況がいずれ訪れるかもしれないとも考えています。ネット社会に生きているわけですから。しかし、相当慎重にならざるを得ないことには変わりはありません。消費者の方たちにも、慎重になってほしいと思います。
以前にもこの番組でもお話ししたように、当然のことながら、こういった紹介サイトを利用してとんでもない業者に施工された例もネットの普及により増える一方です。
便利な世の中になったとはいえ、便利を追求しすぎてしまっては非常に危ういことも当然あるわけです。自分の目で見て自分の判断で選ぶということは特に、誰かに代わりにしてもらうようなことではないと思います。
どこかのサイトがその人にあった業者を代わりに選ぶ、大手のお墨付きだから安心、県とか公共の団体が選べば安心…と、思考停止して信用してしまう。そういった責任の所在がはっきりしないこと、主体性のない「判断」ともよべない判断が、私は非常に危険であると考えています。
やはりそこは民主主義の原則に則って、個人個人が判断し、選ぶ権利を行使しなければならない事なのではないかと考えています。政治を選ぶのもそうですし、自分のお金をどの商品・どの企業に使うのかという消費活動も、支払う義務を負えば責任も伴う行為です。
考えてみてほしいのですが、きちんとしたまともな施工をしている業者がそういう紹介サイトにわざわざ加入しようとは思いません。
勧誘を受けた際に、何故当社に声をかけたのか、当社のなにを知っているのかを聞いてみたところ、非常に曖昧な返答しか得られませんでした。恐らく電話帳などでかたっぱしから電話をかけて営業しているのであろうと思われます。
ネットは便利な部分も多々あるのは事実ですが、よほど気をつけないといけません。住宅の工事などは多額の費用がかかることが多い上、躯体など大事な部分を触らせる行為ですから、下手をするととんでもない業者にあたられて不必要な工事や不良工事などをされて財産としての価値を損なうことにもつながりかねません。不良工事でお悩みの方のご相談に応じていると、業者への依頼のきっかけが優良業者紹介サイトによる紹介だったというケースが爆発的に増えてきました。簡単、便利さの裏に潜む落とし穴には十分に気をつけてもらいたいと思います。 |