A様より大分本店(にじが丘ショールーム)にご連絡いただきました。バルコニーから雨漏りしているため見てほしいとのことでした。
後日、プランナーの三重野が現地調査に伺いました。ご自宅は2003年に大手ハウスメーカーP社で新築されておりました。屋根はセメント瓦で外壁はサイディングの仕様です。リビングの上のバルコニーが雨漏りしており、リビングの天井クロスが剥がれてしまっていました。
キッチンの交換とLDKの内装工事を依頼した地元工務店のS社が、施工中に天井クロスが雨漏りで剥離していることに気づいたそうです。S社からは雨漏りを解決するための防水工事はできないと断られたため、P社に雨漏りの改修を相談したとのことでした。しかし、P社の見積もり金額が非常に高額なことに驚き、とても納得できるものではなかったそうです。防水工事に関して信頼できそうな会社を探していた時に当社のHPをご覧になり、ご連絡下さったとのことでした。
まさか築16年程度で雨漏りすると想定しているお客様はいないと思います。10年の保証期間が過ぎているとは言え、たかだか16年での雨漏りですので、お客様に申し訳ないという思いが建てた会社にあれば、無償とまでは言わないものの少額の負担をお願いし、改善工事するのが本来の姿ではないかと感じました。
※さらに言えば、天井に雨漏りが確認できた相当以前(7〜8年以上前)から雨水の浸入は始まっていたと思われます。
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▲P社が状況確認のため、雨漏り箇所の天井材を剥がして、ビニールシートで覆っていました。 |
▲ビニールシートを剥がすと、ボードが見える状態でした。 |
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▲バルコニーの表面はタイル張りです。 |
▲雨漏り箇所にプラスチック段ボールで雨養生していました。 |
新築時の図面で防水の構造を確認したところ、1階天井の上にボードを張り、その上に防水シートを張り、さらにその上にタイルを張ったシート防水でした。当社ではシート防水は非常に信頼性の低い防水方法という認識を持っています。シート防水とは、複数枚のシートを敷き詰めて接合して防水層をつくる防水方法ですが、一番の欠点は、シート同士に継ぎ目が出来てしまうという点です。その継目や外壁・ドレンなどの取り合い(境目)から雨水が浸入してしまいます。一度シートの下に水が入り込んでしまうと、シートの下は陽が当たらない為に、浸入した雨水が乾きにくく、下地やシートの接着面を傷め続ける事になります。
また、初期の劣化の時点では、シートの継目が傷んでいるかどうか、シート内に雨水が浸入しているかどうかが非常に分かりにくいという欠点もあります。
P社の提案内容は、タイルとシートを剥ぎ取り、残されたボードの上から再度シート防水した後に、その上から接着剤でタイルを張るという新築時と同じ内容でした。これではまた10年経たないうちに同じような雨漏りが生じる可能性は十分にあります。
後日のお見積もり説明の際には、まず当社がどのような会社なのか、当社の工事(建築、塗装、外構)に対する考え方や取り組みをお伝えしました。他社の間違った防水工事について施工例を用いてご説明し、当社の防水工事についてもお話ししました。その上で、実際の工事の流れをご説明させていただきました。
◆◆◆工事の流れ◆◆◆
@タイルとシートを剥ぎ取る。
A残されたボードの表面の接着剤などを除去する。
Bボードとボードの継目の隙間をなくすため、不織布(繊維を織らずに絡み合わせたシート状のもの)で継目を覆う。
Cその上から、さらに6工程からなる塗膜防水を行う。(この塗膜防水の3工程目にも不織布が使用され、ボードの動きに塗膜が追従し、塗膜のひび割れを防止する。)
当社は屋上やバルコニーなどの防水工事の手法として、防水面に継目が生じない塗膜防水を採用しています。塗膜防水は、防水面にひびが入らなければ防水性が確保できます。また、万が一ひびが入った場合でも、ひび割れを目視で容易に発見で、ひび割れの上から容易に補修できる特徴があります。
A様は当社の施工方法と金額にご納得され、工事の発注を即決されました。
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