2011年に防水工事をさせていただいた『金谷小児科』様からご紹介いただきました。
金谷様と同様に新築時から屋上の防水に問題があり、今もお困りとの事でした。
さっそくお伺いして現状を調査させていただきました。
地元ゼネコンのS社で建てられた築30年の鉄筋コンクリートの建物でした。お話しをお伺いした所、新築時にかなりの数の瑕疵があり、指摘により改善はされたそうですが、業者への不信感はぬぐえなかったそうです。
その後雨漏りしたため、10年目ぐらいに屋上の防水工事を同ゼネコンにご依頼されたそうです。
シート防水で施工当初からシートが浮いている所がたくさんあり、こんなもので良いのかなと思っていたそうです。
当社が調査で屋上に上がってみると、ほとんど全面シートが浮いており、下地は踏むとバリバリ音がするぐらい薄いモルタルのようでした。シートの継ぎ目から水が大量に入り込んでおり、水が恒久的にたまった状態でした。
シートを剥がしてみると、瓦礫状態の中に溜まった水が腐敗しておりました。新築図面と現状から見て新築時はアスファルト露出防水だったようです。新築した業者に言わせると当時は公共工事でもやっていたから全く問題は無いと言う見解でした。当社は絶対にやりたくない方法です。
また、当然問題が出て10年後に屋上防水工事をする事になったわけですが、今度は凸凹のアスファルト露出防水の上から速乾性モルタルを5mmほど塗り、その上にシートを張っておりました。その結果が今回我々が見ている現状になっているわけです。
たった5mm程度のモルタルに良くシートが張れたなと思いますが、おそらく張る途中でも作業者の体重でバリバリ割れたのではないでしょうか?
当社が同じように場当たり的な工事をしてもしかたがないので、耐久性と今後のメンテナンスを考えた工事をご提案いたしました。
シート、その下のモルタル、さらにアスファルトをすべて撤去しコンクリートを打ち直して下地を作った上で塗膜防水をするというものです。
コンクリートは8cmの厚さでも重量的に大丈夫なのですが経年のリスクを考え、軽量コンクリートを5cm打つ事になりました。
また、玄関上部の防水もやり直させていただきました。
コンパネの上にシート防水というよくあるパターン(当社では絶対やらない方法)でしたが、すでに大量に水が入っており、下地の木部が腐っているのが上からも解る状態でした。
シートを撤去し、下地をやり直した後にFRP防水をさせていただきました。
同時期に『ご自宅の全面塗装工事』もさせていただいております。
この工事にあたり、当初防水工事を請負った地元ゼネコンの方とお会いする機会がありました。
現状をお話しする以前に「当時としては最良の工法だった」「公共工事ではこれが普通です」といった常套句を繰り返すばかりで、現状おこっている状況を考察したり、当時の工法がはたして正しかったのかと疑問にするそぶりすらも見せない様子でした。
過去の間違った施工方法は今だに続いているのが現状です。新築、リフォームに問わず、広く使われている材料・工法が正しいとは限りません、考えれば素人でも間違いに気付く事が多いと思います。 |