当社が毎年出展している工業展にT様が娘様と一緒にご来場下さいました。ベランダの防水のご相談と、外壁の汚れやヒビが目立っており、塗装を検討しているとのご相談をいただきました。
　お話しをお伺いすると、2年程前にご自宅のリフォームをされて、1階の屋根の葺き替えをしたそうです。その際、同時に外壁の塗装もと思われたそうなのですが、屋根の葺き替えは急遽することになったもので、予算的にもその時は外壁はあたらなかったそうです。また、ベランダの防水は、建て増しされた当初から手をいれておらず、ベランダ下の軒天井に雨漏りのしみらしきものが出てきており、心配との事でした。
　さっそく、当社代表の小原と、プランナーの東本で現地調査にお伺いしました。

　前回のリフォーム工事は、知り合いの水道屋さんに依頼したとの事で、工期が分からないままずるずると長引いてしまったことや、工事の金額がはっきりしないまま工事が進んでいき、最終的に当初の予定より大幅に増額の請求をされたという事があったそうです。その為、このたび防水や塗装をしたいと思いつつも、また同じような事があったらと不安になり、なかなか話しを進めることが出来なかったとの事でした。
　今回、以前より会社名を耳にした事があり、新聞でも良く見る当社が工業展に出展するという事で、ご相談にお越し下さいました。

　T様は娘様と一緒にご来場くださり、前回の工事で不安になってしまった事や、またどういった工事をすればよいか分からないということを率直にご相談下さいました。建築業界の様々な問題点や、専門家と言われている建築業者が実は建築の基本的な事を理解していない、また理解しようとしていない現状などについてもお話しさせていただきました。
　戦後の高度経済成長の流れで、建築業が商売になってしまい、大手ハウスメーカーをはじめ、儲かるための建築業という方向性で進んでしまったのが現在の建築業界です。人間にとって、住と食は心身の健康に直結するものです。それらを儲かるからこれを使おう、儲かるから手を抜こう。という考え方で突き進んでしまえば、歪んだ仕組み、歪んだ商品になるのは避けられません。
　そのような現状の中で、何が住まいにとって健全な在り方なのかを模索し、提案していける者が本当の専門家だと当社は考えています。そしてそう在りたいと、日々検討しご提案をさせていただいております。
　そのような業界の話しや当社の考え方、またT様の家の現状とそれに適した施工方法をお見積もりし、ご説明させていただきました。T様も娘様も一緒にお話しをするうちに、当社の姿勢や施工内容にご納得、ご信頼くださり、工事のご発注をいただきました。

　T様のお宅は、外壁はモルタル壁でスタッコ吹き付けの仕上げでした。モルタル壁のお宅では、新築時の最終仕上げの塗料の選択がほとんどのお宅で間違っている現状です。T様のお宅もやはり、多くの新築住宅と同じく、防水性のない塗料を使用しておりました。また、モルタル壁特有のひび割れに追従する、モルタル壁にあった塗料でもありませんでした。モルタル壁は、新築時に適した塗料を選択していれば、現在主流となっているサイディング壁より、はるかに人間の生活に適しており、また長持ちする建材です。

　T様宅もモルタル壁に発生するヒビが生じていました。モルタル壁の仕上げに適した弾性のある塗料を選択し、今後表面にヒビが発生しないよう施工しました。

　ベランダ防水は、全く防水機能はないコンクリート打ちっぱなしの仕上げでした。コンクリート自体には防水性はないため、防水の処理が早急に必要な状態でした。

　雨漏りを心配されていたベランダの防水は、現状が防水機能のない状態でしたので、塗膜防水を提案、施工させていただきました。公共工事や新築の防水にも多く施工されているシート防水とは違い、塗膜防水は塗膜となる液体を何重にも重ねていく防水方法で継ぎ目がなく、シート防水のような継ぎ目からの漏水の心配がありません。

玄関の木部もシミやカビが発生していたため、一度2種の薬品を使用し、白木の状態に戻し木部用の塗料で色付けと保護を行いました。木部塗装は大変デリケートで、薬品や塗料を間違えて施工している現場が多くあります。そのまま手を加えないでいたほうが良かった現場も多く見られます・・・。T様宅は幸いなことにそのままの状態でしたので、適切な処理、塗装で施工することができました♪

　外壁の色はT様が選ばれました。長年気にされていた外壁が綺麗になって、とても嬉しいと喜んで下さり、「他にあまり見ない色で、とても気に入っている」と施工後楽しそうにお話し下さいました。