当社の大分ショールームにS様がお電話下さいました。駐車場の増設と、築15年程のご自宅の外装についてのご相談でした。その場でS様の都合のよい日時をお聞きして、現地調査にお伺いする事となりました。
S様のご自宅は、窯業系のサイディングを使用した外壁と、石綿スレート(コロニアル、カラーベストともいいます)葺きの屋根といった、最近の日本の住宅の典型ともいうべき外装でした。
サイディング、スレート共にここ20年で爆発的に流通し、日本の住宅のスタンダードとなっていった建材です。木目調やレンガ張り風、塗り壁風といった様々なデザインが表現できる意匠性の高さ、安価な事(お客様が支払う時には安価ではなくなっているのですが)、作業効率の良さから新築の10軒に9軒はこれらの建材を使っている家が多いのですが、その実、メンテナンス頻度が多い建材です。日本の家の平均寿命が諸外国と比べて短い(欧州で約80年、アメリカで約50年、日本は約26年と言われています)事の要因の一つが、これらの建材が主流化したからともいわれています。
また、中でもサイディングは住む人にとっての住環境にとっても欠陥とも言える性質※もあり、当社としては新築の際には絶対に使用したくない建材です。しかし、実際には先述したとおり日本の家の典型とも言える建材ですから、それに即した適切なメンテナンスをしてあげなければいけません。塗装をする際も、ただ色を塗り替えるわけではなく、サイディングにはサイディングの、スレートにはスレートの、その他樋やアルミ、金属部分など、家に使われている建材にはそれぞれ最適な塗材と施工方法があります。決して価格が高いからいい塗料であるとか、根拠のわからない塗料の成分の優劣で決めるのではなく、一つ一つの建材に対してしっかり吟味をした上で施工方法を決める事が家の保護のためには肝要になります。
S様にも今の家の状況、使われている建材、それらに適切な施工方法をご説明し、お見積もりを作成させていただきました。S様は当社の説明を真摯にお聞き下さり、駐車場の増設と共にご発注下さいました。 |