H様より当社ショールームにお電話をいただきました。ご実家(K様邸)の塗装のご相談でした。
以前H様がお住まいのマンションの防水工事を当社が施工させていただいた事があり、当時理事をされていたH様は、当社の施工をよくご存知だった為、この度お声をかけて下さったとの事でした。
H様のご実家は、築30年程で屋根はセメント瓦、外壁はモルタル壁で、当時の建物に多い組合わせでした。屋根は前に塗装した業者が、塗料の選択・塗装方法を誤った為に塗料不適合を起こし塗膜がめくれ、酷い状態になっておりました。
施工前 |
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※一般的な塗料不適合は築10数年後に最初に塗装した業者の塗料が、瓦製造時に塗った塗料より溶剤が強い場合に、塗膜を溶かす事によって起きます。瓦製造時に塗っている塗料は液化するものの、後に塗った塗料はとりあえず硬化します(硬化剤が入っている事が多い)。下の塗膜が液化しているのに、上の塗剤だけが硬化する為、表面に縮みが生じるという結果になります。この状態が一般的な塗料不適合ですが、数年後に処理方法がわからない業者が、一般的な洗浄、下地処理をして再塗装した場合、今度は更に酷い状態になります。二度目に塗った業者の塗料は、前回の塗料を完全に覆ってしまい、今度はより完全に硬化します。中に前回液化した塗料が瓦にこびりつく様に多少でも残っていると、夏間の温度の高い時に気化して膨張し、新しい塗膜にふくれ、めくれが起きます。この状態で当社にご依頼に来られる事が大変多い様です。最初にした塗装が酷かったので、この10年間に2度塗装をしたけど、2度目は更に酷くなったというご相談が15年前〜5年前くらい迄、沢山ありました。
塗料不適合のメカニズム、処理方法がわからずに安易に施工する業者が多いのが実状です。現状と処理方法をご説明した後、施工させていただく事になりました。 |