お施主のN様から、10年以上使用していない保養所で廃屋同然の築30年の建物のリフォームのご依頼を頂きました。
8月末の事でした。

お見積り、プラン共にご納得頂き、工事に入ったのが9月の初旬。まだ、眼前にそびえる由布岳も晩夏のなごりを残していました。

住居部分の寝室、居間、キッチン、浴室、洗面所、トイレ。美術館・喫茶室の床、壁、天井、造作工事、照明工事など。外装から給排水、電気工事に至るまで計3ヶ月の施工期間を要しました。

美術品の展示室は主役である展示品が最大限に生かされる様、極力シンプルに、しかし暖かいイメージをもった空間となっています。色や灯りや素材のもつ効果を考え、来館された方々がゆとりや、やすらぎを感じていただける仕上がりになっています。
また、外装は和風モダンというテーマの下、畑の緑や土の色に映える白壁に、漆黒の柱をポイントとしたモノクロームの仕上がり。周囲の環境にも調和しています。

住居部分等にも既存のパーツに手を加え、それを使用する事でなるべく建材費を抑える、といった工夫がなされており、自社の職人による直接設計・直接施工という事もあり、3割程度は一般価格よりも安くなっています。
お施主様からも大変、喜んでいただき、私たちもこの空間に数々の作品が展示される日を心待ちにしています。

約三ヶ月に渡る工事が完了した時には由布岳も白い衣装を身にまとっていました。